特別国会が幕を閉じた。衆議院選挙で大勝した2月以降、首相の高市早苗は野党との対決を辞さない姿勢を鮮明にしてきたが、霞が関との関係も緊張をはらんでいた。その原因は官僚たちの人事だ。
役所の人事には毎年決まった段取りがある。主要官庁は1月ごろ、事務次官ら最高幹部がどのような顔ぶれになるのかを首相や官房長官の耳に入れる。春先には局長級の人事で非公式に承認を取り、4月末に審議官以上のリストを内閣人事局に提出。国会終了後の6〜7月に正式に発令するのが通例だ。
しかし今年は様相が異なった。とりわけ財務省では、高市との十分なコミュニケーションが取れず、事前の調整プロセスはほとんどなし。次官の新川浩嗣の退任、主計局長の宇波弘貴の次官昇格を柱とする人事案が内閣人事局に提出されたが、たなざらしにされた。ある幹部は「保留ということにされている」と戸惑いを隠さなかった。
その間、「首相は主計局長の昇格を認めないと言っているらしい」「財務省の思いどおりにはさせないと息巻いている」など真偽不明の情報が飛び交った。官邸側も積極的に否定せず、「今年の人事はどうなるかわからない」という空気が広がった。
最終的に高市は財務省の原案どおりの人事を認め、宇波新次官の誕生が確定した。しかし、半年近く宙ぶらりんになったことに、ある財務官僚は時の政策課題と重ねてこう憤っていた。
「食料品の消費税率引き下げで協力することが承認の条件だと言っているに等しい。不作為による人事の武器化だ」
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