中国テンセント、AIが業績拡大に「実のある貢献」 ゲームや広告を後押し、1~3月の売上高2桁増

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テンセントの2025年1~3月期決算は「AI効果」でアナリスト予想を上回るパフォーマンスを示した(写真は同社ウェブサイトより)

中国のネットサービス大手の騰訊控股(テンセント)は5月14日、2025年1~3月期の決算を発表した。

同四半期の売上高は1800億200万元(約3兆6928億円)と前年同期比13%増加し、アナリストの事前予想の平均値を上回った。投資損益などを差し引いた非国際会計基準(非IFRS)の純利益は613億2900万元(約1兆2582億円)と、同22%の増益を達成した。

注目すべきなのは、売上高の前年同期比の伸び率が四半期毎に上昇し、1~3月期は過去1年間で最高を記録したことだ。その要因について、テンセントは決算報告書の中でAI(人工知能)への積極投資の成果を強調。オンライン広告の売上拡大や、オンラインゲームのロングセラー・タイトルのトラフィック増加に「AI機能が実のある貢献を果たした」と説明した。

AI投資の収益化に自信

テンセントのスーパーアプリ「微信(ウィーチャット)」を例に取ると、(さまざまなサービスやコンテンツを探すための)検索機能に対話式の生成AIを統合したほか、(企業や著名人が情報発信に利用する)公式アカウント向けにテキストや画像の生成ツールを提供した。

また、テンセントはオンライン広告向けの技術プラットフォームを刷新し、AIの生成機能を広告コンテンツの制作やバーチャルキャラクターによるライブコマース(訳注:動画のライブ配信を通じたオンライン販売)などにも活用できるようにした。

こうしたAI機能をユーザーも積極的に利用している。市場調査会社のクエストモバイルの調査レポートによれば、テンセントが開発した生成AIアシスタント「元宝(ユエンバオ)」の2025年3月の月間アクティブユーザー数は前月比58%の急増を記録した。

「AIへの戦略的な積極投資は、長期的かつ大規模な収益拡大をわが社にもたらすだろう」。テンセントは決算報告書で、そう強い自信を示した。

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