
集団の規模の問題は無視されがち
チームやグループについて考えるとき、私たちは機能や責任に注目し、価値の創造や関係する人の能力に配慮する。だが規模について考えることはまずない。
順調に機能するには部署が大きすぎるということがあるだろうか。チームが与えられたタスクに向かないということがあるだろうか。
組織にときたま出現する有害な文化――「我ら」と「彼ら」の精神構造――は、組織内のグループの規模によって説明できるだろうか。会話が収拾つかなくなるのはどのような場合か。
数学者のブノワ・マンデルブロが雲を「重なり合う波」の微小な複合構造体と見なしたように、組織の中の小さなクラスターやごく小さなグループに焦点を合わせることに利点はあるだろうか。
組織は財務コストの測定は得意でも、失われた人的資本(巨大企業というタンカーから漏れ出たエネルギーや才能、忠誠心、自発的な努力)の無形コストの測定は得意ではない。