会社員なら知るべき「人数」が超重要な科学的根拠 人間関係の根底にある「ダンバー数」のすごさ

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この150人より疎遠な関係の人に対しては、私たちは利他的行動を取るのにより慎重になる。遅かれ早かれ(できれば早めの)見返りを期待するようになる。

それは、はじめから決まっている約束事であることが多い。あとで金を払うか恩返しするのであれば、私もあなたを助けるということだ。150人の境界線の外では、相互関係は一種の取引のようになる。

150人の上限が重要であるのは、コミュニティの規模がこれを超えない限りにおいて、大多数の問題は民主的な直接交渉で簡単に解決できるからだ。だが、この上限を超えると「スケーラー・ストレス(Scalar Stresses)」が生じて、集団がどんどん不安定になる。

交渉が難しくなり、コミュニティ内の情報の流れが滞り、物事が思い通りに進まない。相互に連絡不可能なサイロ(派閥や縄張り意識)が生まれ、人々は疑心暗鬼になって相手を信用しなくなる。こうなると、何らかのより正式な管理システムによって社会関係と業務を管理するしかない。

コミュニティの人数の上限

スケーラー・ストレスを解消するには、もちろん集団や組織の人数が150人を超えないようにすればいい。この手法を取り入れているのがフッター派(東ヨーロッパからの移民)とアーミッシュ(スイスやフランスのアルザス地方からの移民)だ。

原理主義キリスト教派アナバプティストの流れを汲むこれらの人々は、前者がおもにノースダコタ州とサウスダコタ州、後者が主にペンシルベニア州でいずれも農業や酪農を営んで暮らす。

彼らの昔ながらの生活様式、19世紀さながらの衣服、古めかしい言葉づかい、近代テクノロジーの拒絶(アーミッシュは自動車に乗らないし、ラジオを聴くことすらない)は外部の人の微苦笑を誘う。

だが、彼らは規模にかかわる非常に今日的な教訓を提供してくれる。

民主的なコミュニティを150人に維持すれば、法律、規制、階層、警察などが不在でも、対面の対話によって商売上の取決めや社会問題に対処できると確信しているのだ。

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