「雑談のない職場」が致命的にダメである納得理由 環境を変えるだけでイノベーションが生まれる

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オフィスで談笑する女性たち
気軽に雑談ができる職場であれば、幸運な出会いによって、画期的なアイデアが生まれるようになります(画像:kouta/PIXTA)
友だちの数、生産性の高いチームのメンバー数、縦割り化する会社の社員数……。これらの人数は、進化心理学者のロビン・ダンバーが発見した「ダンバー数」や「ダンバー・グラフ」に支配されている。古来より人類は、「家族」や「部族(トライブ)」を形作って暮らしてきたからだ。
メンバー同士が絆を深め、信頼し合い、帰属意識をもって協力し合う、創造的で生産性の高い組織を築くためには、このような人間の本能や行動様式にかんする科学的な知識が不可欠である。今回、『「組織と人数」の絶対法則』より、一部抜粋、編集のうえ、お届けする。

画期的なアイデアが生まれる環境とは

「組織と人数」の絶対法則: 人間関係を支配する「ダンバー数」のすごい力
『「組織と人数」の絶対法則: 人間関係を支配する「ダンバー数」のすごい力』(東洋経済新報社)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

企業の環境について言えば、オックスフォードのカレッジ群ほどゆったりした空間を所有する余裕はなくとも、イノベーションと学習の条件を整える方法はある。

多くの部屋や大きな予算をかならずしも必要とはしない。一例を挙げれば、くつろげる共有空間の提供がある。

ある事例がそうした空間の重要性を教えてくれる。BBCの教育番組部門のプロデューサーがロビン・ダンバーに話したところによると、彼女がその部門に入った数年後、彼女のチームは今にも倒壊しそうな古いビルから新しく建てられたビルに移されたという。

そのとき、これまで積み上げてきたものすべてが壊滅しそうになった。堅く団結したユニットにヒビが入ったかのようになったのだ。新鮮なアイデアが生まれることはもうなさそうに思えたほどだった。

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