「居酒屋で隣に座る」くらいの距離が重要な訳 若者にも広がる「誰かとつながりたい」感覚

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テーブルを囲み乾杯をする若い男女
抑圧的でなく、閉鎖的でもない都市型の共同体は、緩やかに人々がつながるものとなると、ジャーナリストの佐々木俊尚さんは言います(写真:Fast&Slow/PIXTA)
友だちの数、生産性の高いチームのメンバー数、縦割り化する会社の社員数……。これらの人数は、進化心理学者のロビン・ダンバーが発見した「ダンバー数」や「ダンバー・グラフ」に支配されている。古来人類は、「家族」や「部族(トライブ)」を形作って暮らしてきたからだ。
メンバー同士が絆を深め、信頼し合い、帰属意識をもって協力し合う、創造的で生産性の高い組織を築くためには、このような人間の本能や行動様式にかんする科学的な知識が不可欠である。日本語版が2024年10月に刊行された『「組織と人数」の絶対法則』について、ジャーナリストの佐々木俊尚氏に話を聞いた。前編に引き続いてお届けする。

交流がイノベーションを生む

「組織と人数」の絶対法則: 人間関係を支配する「ダンバー数」のすごい力
『「組織と人数」の絶対法則: 人間関係を支配する「ダンバー数」のすごい力』(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

コロナ禍で、多くの会社がフルリモートにしましたが、1~2年やってみて、ほとんどの会社が「これは厳しすぎる」と認識しました。

オンラインの会議だけでは、隣の人に「ちょっと教えて」と聞くことができません。やはり雑談はとても大事だとわかったわけです。結果的に、完全フルリモートはかなり少なくなりました。

本書にも、雑談がイノベーションを生むということが書かれています。

スティーブ・ジョブズがiPhoneを生み出したように、イノベーションは、1人の天才の発想によるものと思われがちですが、実際にはそんなケースはほとんどありません。

シリコンバレーが典型です。何もない場所に、ヒューレットパッカードが工場を作り、人が集まった。そして、技術者と営業マンが出会って、一緒になにかやろうということも生まれました。

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