会社員なら知るべき「人数」が超重要な科学的根拠 人間関係の根底にある「ダンバー数」のすごさ

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誰もが全員を知っているので、みなコミュニティ全体に対する義務感を負っている。共同体であるという感覚を保つため、コミュニティが大きくなりそうなときは分割し、近くに新たな娘農場を設立する。

ここ100年で、フッター派コミュニティが分割されたときの規模は平均で167人だった。

分割時にこれほど上限を超えているのは、コミュニティの規模が150人を超えている期間があまり長くてはいけないという条件と、50人前後と150人前後に分割できるほどには大きいという条件とのあいだで折り合いをつけねばならないからだ。

なぜなら、50人前後や150人前後のコミュニティに比べて、100人前後のコミュニティは安定性が低く、すぐに分裂するからだ。

中間の人数では何かがうまくいかず、コミュニティ内の人間関係が不安定になり、早すぎる2度目の分割につながるようだ。

会衆が150人を超えた教会が抱える問題

伝統的なキリスト教派でも同様の傾向が報告されている。ここ20年にわたって行われた広範な研究によると、教会の会衆が150人の上限を超えると問題が起きるという。

信徒たちの信仰心が冷めて、1人当たりの献金額が減り、教会が自分たちのニーズに応えていないと感じはじめる。一方の牧師も会衆全員を知るのは難しいと感じ、個々の人の期待に応えられない。

これを解決するには、会衆を分割して別の場所に娘教会を設立するか、牧師の数を増やして会衆の小グループごとに専任牧師にするなどの方法がある。これで正式ではないにしても管理構造ができ上がる。

いずれにしても、1人の牧師や司祭が効果的に対処できるのは150人以下の会衆であり、この規模のコミュニティは大規模なコミュニティに比べて不安定な関係に悪影響を受けにくいという不文律があるようだ。

そうなる理由の1つは、物理学者のブルース・ウェストらが示したように、どうやら150人というコミュニティ規模が決定的な転換点らしいということにある。

ネットワークの規模がその数字に向かって増えるにつれて、システム全体の情報の流れが着実によくなる。

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