会社員なら知るべき「人数」が超重要な科学的根拠 人間関係の根底にある「ダンバー数」のすごさ
ところが、150人を超えると、情報の流れが驚くほど鈍る(図2参照)。コミュニティが150人を超えると何かが変わる。日常的に出会うことがもはやなくなるのだ。
こうなると、人々はサイロを形成してその中でのみ話すようになる。それまで見事に調和し組織化されていた人々が、一夜にしてライバル意識と非効率に支配される。
言い換えれば、150人はコミュニティにとって最適な規模であるが、同時に成立させることが不可能な2つの機能間の妥協の産物なのだ。
つまり、150人は直接、間接を問わず相互作用できる人数の最大値である。そして、それを境に社会関係の効率または質が低下する人数でもあるのだ。
力学系の数学では、このような点は「アトラクター」と呼ばれる。それは何も力を加えなければ系が自然とそこに向かう点である。系がその点でもっとも安定するからだ。
組織を分割しながら成長させる方法
企業組織にかんする著書『想像力(Imaginization)』で、トロントにあるシューリック・スクール・オブ・ビジネスの名誉教授で組織論が専門のガレス・モーガンは、観葉植物として人気の高いオリヅルランの比喩を用いて、つながった構造を壊さずに分割すれば、健全な成長が可能になると述べている。
オリヅルランは子株が親株から分岐することで分散した親─子ユニットから成る構造をつくる。これが健全なヒト組織のモデルだというのである。オリヅルランの一体感は、親株と子株をつなぐランナー(匍匐[ほふく]茎)によってつくられる。
ヒトの組織では、一体感は一連の最小限度の仕様(いわゆるミン・スペック)または行動原則、あるいは組織全体を結びつける共有された目的によって得られる。
モーガンによれば、これが会社を「不都合な状況」を乗り越えて何度も成長させる構造であるという。
(翻訳:鍛原多惠子)
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