では、どんな食材がよいかというと、薬効の大きな食材の1つは「スイカの皮」です。スイカの皮といっても一番外側の硬い部分ではなく、赤い実との間にある白いところです。
この部分は昔から「西瓜翠衣(せいかすいい)」という生薬で、むくみ解消や利尿作用、清熱(熱を冷ます)、解毒、口渇(口の渇き)を抑えるなどを目的に用いられてきました。
また、スイカにはアミノ酸の一種、シトルリンが多く含まれていますが、皮には赤い実の部分の2倍もの量が含まれていることがわかっています。
シトルリンは動脈のしなやかさを保ち、血流を改善する働きがあります。暑い時期は心(心臓や循環器全般)に負担がかかり、脳卒中や心筋梗塞などの心血管疾患が発症しやすくなります。これらの病気を予防するためにも、スイカの皮を有効活用していただきたいです。
スイカの皮には、ほかにもうれしい健康効果があります。
その1つは、脳内物質の一種で、“幸せホルモン”といわれるセロトニンの分泌を促進する成分が豊富に含まれているということ。セロトニンは“睡眠ホルモン”であるメラトニンの材料になる成分ですので、ジメジメ暑くて眠りが浅い、すぐ起きてしまうという方は、睡眠の質を高める効果があるスイカの皮をぜひ活用ください。
気になる食べ方ですが、スイカの皮は薄く切って、味噌汁の具やサラダに入れるとおいしく食べられます。
薄切りにして塩を少量まぶしてジッパー付きの保存袋に入れて冷蔵しておくと、青臭さが抜けて食べやすくなります。大量にあるときは、保存袋に入れたまま冷凍しておくのがおすすめです。
豚肉との相性もよいので、炒め物にしてもいいでしょう。
ふだん私たちが食べている赤い果肉よりも薬効が大きいので、これからは捨てずに活用していただきたいと思います。
利水効果があるおすすめ飲み物
水分の排出を促してくれるお茶を飲むのもおすすめです。
なかでもとうもろこしのひげは、「南蛮毛(なんばんげ)」という生薬でもあり、薬効の強い食材の1つです。韓国料理の店などでもよく出されますよね。
スーパーなどで皮付きのとうもろこしを買ったときは、ひげの部分を捨てずに乾燥させ、煮出してお茶にするといいでしょう。近年では、スーパーやコンビニなどでペットボトル入りのとうもろこし茶が市販されていますが、選ぶ際はひげが含まれているタイプのものにしましょう。
そして繰り返しになりますが、体を冷やさないために、ホットや常温で飲むようにしてくださいね。
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