体に影響を与えるような湿気を、漢方では「湿邪(しつじゃ)」と呼びます。湿邪が体の表面をピッタリと覆うような状態では、汗がかきにくくなります。結果的にたまった老廃物が排出されにくくなり、むくみを引き起こしやすいのです。
そして、むくんで体内に不要な水分がたまると、冷えやすくもなります。冷えると基礎代謝が低下し、脂肪がつきやすくなります。
このようにして梅雨太りが起こると考えられます。
さらに今年の特徴として、「梅雨冷え」と呼ばれる気温が低い日がほとんどなく、夏のような暑さが続いています。これも問題です。
暑いと冬のように体温を上げる必要がないので、基礎代謝が落ちます。つまり、エネルギーをあまり使わない“省エネ型の体”になっていきます。暑い時期に食欲がなくなるのは、下がった基礎代謝量に合わせて食欲を減らし、食べる量を減らそうとしている自然な反応なのです。
基礎代謝が落ちた状態で、これまで通り食べてしまうと、カロリーオーバーになってしまいます。夏は栄養の摂り方に気をつけないと、実は太りやすい時期でもあるのです。
この時期は、湿に熱が加わった「湿熱(しつねつ)」が体にこもりやすい状態にもなっています。湿熱はべっとりと体内にこびりついている油のようなもので、体から排出されにくいのです。
特にこの時期に注意しなければならないのは、むくみやすい人です。
湿邪は下半身にたまりやすい性質を持ちます。ポタポタと水が垂れるイメージです。もともと下半身太りの人は、湿がたまりやすい体質であるといえます。
もともとむくみがちな人は、冷えてさらに代謝が下がって水太りの状態になっているので、太る原因が3つ(梅雨太り、夏太り、水太り)重なっているということになります。
このように「梅雨太りが起こるメカニズム」から考えると、これを解消するには、「体内にたまった湿邪(余分な水分や老廃物)を体外へ排出させること」と「基礎代謝を上げること」の2つが重要だとおわかりいただけたかと思います。
体から「湿」を排除する食材
いずれの原因でも、今の時期は余計な塩分や水分を排出させる働きである「利水(りすい)作用」のある食品を積極的に摂るようにしましょう。夏野菜や夏が旬の果物には利水作用を持つものが多いので、積極的に取り入れたいものです。
ただし、冷やして摂ると代謝がさらに下がり逆効果です。特に水太りの方はご注意ください。
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