「ネットでだらだら」は必要な時間という新視点 「サボっている」と糾弾するのはナンセンス

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ダラダラする男性
やることはいっぱいあるのに、SNSを見たり、ネットショッピングをしたり、“脱線”してしまうことを、後ろめたく思う必要はないのかもしれません(写真:pearlinheart / PIXTA)
多くの人は自分のキャパシティを超えても、頑張って働こうとしている。しかし身体と脳は、完全に心身が壊れる前に「ブレーキを踏め」とサインを出してくる。それが「何もしたくない」などの感情を生み出すのだが、怠けることを「よく思わない」人が多いのも事実。しかし身体と体からのサインを無視し続けてもいいのだろうか? デヴォン・プライス氏の著書『「怠惰」なんて存在しない 終わりなき生産性競争から抜け出すための幸福論』から一部を抜粋して考える。
本記事は3回シリーズの2回目です(1回目『多忙な人が気づくべき「怠けてはいけない」のウソ』)。

SNSやネットショッピングはサボり?

私が指導を担当している大学院生のマーヴィンは、本人の意志に反して「怠惰」な行動をしてしまう事象を研究しようと考えた。ストレスや疲れがあるときに、人びとがFacebookを見たりネットショッピングをしたりする現象に着目したのだ。

これは多くの人に馴染みのあるサボり方で(あなたはどうか知らないが、私はほぼ毎日欠かさずやっている)、社会科学の研究では「サイバー・ローフィング」(ネット上でぶらぶらすること)と呼ばれている。

平均的な人は1日に何度もサイバー・ローフィングをしているが、特に知的負荷の高いタスクを終えた後や、ある案件から別の作業へと心理的な「ギアチェンジ」が必要な際に、この行為がよく見られる。

サイバー・ローフィングは、一度リラックスして脳を再活性化するための行動で、職場の給湯室でおしゃべりをしたり、特に必要はないのに備品スペースまでペンを取りにいったりする行為と本質的には同じだ。

生産性の専門家や経営者には、サイバー・ローフィングは評判が悪い。業務時間「泥棒」的なひどく怠惰な行為だと嫌われている。2014年の調査では、サイバー・ローフィングによる生産性の損失は推計年間540億ドルに上る。

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