未来のことを必要以上に案じ、過去の失敗には引きずられ、目の前の事実をありのままに捉えることができない。
これでは、本来楽しいことも心から楽しめないでしょう。
生まれついての自信家に見える人もいるかもしれませんが、多くの場合、その自信は幼い頃から積み重ねた小さな成功体験に裏付けられています。
例えば、親に褒められながら育つと「自分はできるんだ」という、健全な自己肯定感が育ちますし、うまくいかないことがあっても「そういうこともあるさ」と楽観していられます。
同様に、「失敗するかも……」といったネガティブな想念にも裏付けがあります。
一度の大失敗で自己肯定感を失う人もいますが、影響が大きいのはやはり幼い頃から積み重ねてきた経験です。
親の指示に従わないと叱られた、努力したのに先生に褒めてもらえなかった、挑戦しようとしたのに同級生からバカにされた。
そんな経験を積み重ねた人が行動をためらうのも、無理はありません。
何かしようとするたびに、「また失敗したらどうしよう」とビクビク。
あるいは「行動しても何も変わらない」「成功すれば疎まれ、失敗すれば非難される」などなど、行動しない理由ばかりが頭をよぎります。
脳の考えすぎをどう止めるか?
どのパターンもネガティブなことを考えすぎてしまい、行動するのにブレーキがかかってしまっている状態です。
では、この「考えすぎ」な状態をどうしたらいいのでしょうか。
カギとなるのは「注意容量を奪う」ことです。
人間の心は「考えてはいけないと意識するほど、かえって考えてしまう」性質を持っています。
「ネガティブなことを考えてはいけないから、考えないようにしよう」と思っても難しいのはそのためです。
考えまいとするほど、考えてしまうのが人間の定め。
ただ、人間が何かに向けていられる注意の量には限りがあります。
ならば注意容量を使い切ってしまえばいい。
そこでマインドフルネスです。
マインドフルネスによって「今、この瞬間」に意識を向け、注意容量を使い切れば、他のことは何も考えずにすみます。