天下一品の看板「こってりスープ」50年かけた進化 創業時は屋台からのスタートだった

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現在、国内218店を展開する「天下一品」だが、本拠地の関西に比べると首都圏での知名度はそこまで高くない。今後の課題をどう考えているのだろうか。

自宅で楽しむ「家麺」にも注力

「人材育成やさらなる知名度アップ、店舗拡大も課題ですが、店舗レジの無人化や配膳ロボットなどDX対応も道半ばです。今後は“お客さまと商品との接点”も増やしていきたい。

具体的にはデリバリー含むテイクアウト用ラーメンの充実、自販機やサービスエリアなどへの商品供給で、通販以外にも『家麺』の販路拡大に取り組んでいきます。

また、アウトドアでも当社のラーメンを楽しんでいただきたい思いもあり、取引先と連携してコラボ商品開発も進めています」(木村社長)

コロナ禍のデリバリー拡大期では、当時こんな声を聞いた。

「もともとラーメン店好きな私ですが、外出自粛期で外食もままならず……。麺類もデリバリーしますが、汁ラーメンは麺がのびるので、つけ麺を頼んでいます」(30代女性)

製麺業者が“のびない麺”を開発している声を聞くが、自宅で再現できる冷凍麵の開発で販売数を伸ばした会社もある。

「天下一品」のラーメンを家庭の食卓にも浸透させることができるだろうか。

高井 尚之 経済ジャーナリスト、経営コンサルタント

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たかい なおゆき / Naoyuki Takai

学生時代から在京スポーツ紙に連載を始める。卒業後、日本実業出版社の編集者、花王情報作成部・企画ライターを経て2004年から現職。「現象の裏にある本質を描く」をモットーに、「企業経営」「ビジネス現場とヒト」をテーマにした企画・執筆・講演多数。近著に『なぜ、人はスガキヤに行くとホッとするのか?』(プレジデント社)がある。

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