「春日局」謀反人の娘が日本最高位の女性に至る迄 大奥を仕切り家光を支え、江戸幕府の安定に寄与

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福の権力の源泉は、もちろん3代将軍・家光にありました。祖父・家康、父・秀忠は戦国時代を生き抜き、そして天下統一を果たしたわけですが、家光は戦に出ることもなく将軍となります。

江戸幕府は、まだまだ不穏な情勢を脱しておらず家光の器量次第という状態でした。現に島原の乱など、下手をすると全国に飛び火しかねない大事件もありましたが、家光は強権をもってこれを封じ込めます。

福はまさに家光にとっての母

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生まれ持っての最高権力者としての強さを見せつけた統治スタイルは「武断政治」と呼ばれるように。その一方で家光は精神の不安定さを見せることもあり、そうした弱さを福がカバーしていたと思われます。

福は家光の疱瘡治癒祈願をした際、自分自身の薬を一切断ちました。最晩年で病床に臥した際も薬を拒否したため、家光自らが薬を飲ませたとあります。

福はまさに家光にとっての母だったのでしょう。一方、福にとっては、家光は生涯をかけた作品であったのかもしれません。

信長の時代に後継者である信康を失った家康は、その信長を葬った男の娘によって、真の後継者を得たのかもしれません。

眞邊 明人 脚本家、演出家

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まなべ あきひと / Akihito Manabe

1968年生まれ。同志社大学文学部卒。大日本印刷、吉本興業を経て独立。独自のコミュニケーションスキルを開発・体系化し、政治家のスピーチ指導や、一部上場企業を中心に年間100本近くのビジネス研修、組織改革プロジェクトに携わる。研修でのビジネスケーススタディを歴史の事象に喩えた話が人気を博す。尊敬する作家は柴田錬三郎。2019年7月には日テレHRアカデミアの理事に就任。また、演出家としてテレビ番組のプロデュースの他、最近では演劇、ロック、ダンス、プロレスを融合した「魔界」の脚本、総合演出をつとめる。

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