「底辺高校から同志社」バカにされ続けた彼の意地 「大学に進学すること自体が夢物語だった」

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「勉強時間はとっていたのですが、勉強そのものに身が入りませんでした。英語はまったくわからないままで、模試を受けても全部適当にマークしていました。私は関関同立(関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学)クラスにいたのですが、基礎学力がないから5文型すらわからず、授業についていけませんでした。結局講義に行かなくなってしまいました」

「面白くない」と思っていた英語はずっと後回しにしていたので、偏差値はつねに27~30という最低レベルだったようです。

とはいえ、塾で受けた国語の授業は彼にとっては新鮮だったようで43だった偏差値は65にまで上がりました。日本史に至ってはいつも満点で、つねに偏差値は80前後だったようです。

「結局、成績が上がっているのは自分で面白いなと思って取り組んでいたものだけでした。まったく勉強しなかった現役時と比較すると、この1年は1日7時間程度勉強していたのですが、英語は面白くないと思っていたため、勉強はおろそかになっており、結局最後まで成績は伸びませんでした」

親に「こんな成績で早稲田を受けるな」と止められた櫛山さんは、立命館大学と龍谷大学、滑り止めで産近甲龍(京都産業大学、近畿大学、甲南大学、龍谷大学)より少し下のレベルの大学を受けて、唯一滑り止めの大学に合格しました。

合唱団の歌の歌詞で浪人を決意

大阪で最下位レベルの学力の高校に通っていた時代を思えば、1浪して大学に進学できただけでもすごいことのように思えます。

しかし、彼は大学に入ってすぐにもう一度仮面浪人をすることを決めました。それは入学式の日に屈辱的な出来事があったからだそうです。

「入学式の日に、合唱団が入学を祝って歌ってくれたんですが、その歌詞に『ぼくらは頭が悪いけど〜』というフレーズがあったんです。その言葉を聞いたときに愕然として、またバカにされる日々が始まってしまうと思ったんです。やっぱり自分は早稲田に行きたいと思って、アルバイトで受験料を稼ぎながら宅浪をすることを決断しました」

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