仕事が「早い人」「遅い人」の事前準備の決定的な差 環境を整えることも効率を上げる段取りの1つ

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タスクを始める前に、まずは「段取り」を整えることが大事な作業となります。

仕事の段取りを整えるというと、プロセスや進め方ばかりに目が向きがちですが、「どこで仕事をするか?」を想定して、事前に作業環境を準備しておくことも、大事な段取りの1つです。

効率よく仕事ができる場所は?

コロナ禍が始まって以降、リモートワークが定着した企業も増えており、「ワーケーション」が注目されるだけでなく、在宅ワークの孤独感が問題になるなど、最近は作業環境に対する関心が高まっています。

ワーケーションとは、英語の「ワーク」(仕事)と「バーケーション」(休暇)を組み合わせた造語で、リゾート地や地方など、普段の職場とは異なる場所で働きながら休暇を取ることや、仕事と休暇を組み合わせて旅先で仕事をすることを指します。

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アメリカ・マイアミ大学のアーロン・ヘラー教授らの研究によると、人間の脳は「多様性や新規性のある移動」を検知すると、脳内の報酬系ホルモンを刺激して、喜びや幸福感を生み出すことが明らかになっています。

さまざまな異なる場所に移動して仕事をすると、脳が刺激されて、パフォーマンスがアップするというのです。

場所を移動して仕事するのと、同じ場所で仕事するのでは、場所を変えて仕事をした方がモチベーションが上がったという実験データもあるため、私の会社でも、クライアント企業に対して、決められた一カ所ではなく、さまざまな場所で仕事をすることを推奨しています。

気分転換は仕事からの逃亡ではなく、効率化を図るための大事な環境整備と考える必要があるのです。

私の場合も、自宅より他の場所で仕事をしたほうが圧倒的にスピードが早くなりますから、常に「どこで仕事をするか?」を意識しています。このタスクをやるのに、適切な場所はどこか? 最初の段階で自分の働き方に合った場所を考えてみることも、仕事の効率化に役立ちます。

越川 慎司 クロスリバー代表取締役

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こしかわしんじ / Sinji Koshikawa

通信会社、ITベンチャーの起業などを経て、2005年にマイクロソフトに入社。業務執行役員としてPowerPointやExcelなどの事業責任者などを歴任。2017年に株式会社クロスリバーを創業。ムダ取りコンサルタントとして800社以上、17万人を超えるビジネスパーソンの効率アップを支援。日常業務にひそむ「名もなきムダ仕事」の撲滅に注力する。「株式会社クロスリバー」では、メンバー全員が週休3日・週30時間労働を継続。著書に『仕事ができる人のパワポはなぜ2色なのか?』(アスコム)ほか多数。

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