本業のスキル「以外」の部分が重要になる
けんすう:僕は、つんく♂さんの本にあった「人生バランスチャート」が、すごくいいなと思ったんです。
要するに「プロになるなら本業のスキルだけじゃなく、バランスが大事」というお話で、たとえばつんく♂さんのようなお仕事だと、作曲や作詞のスキルだけを見て「ここがすごい」「ここが足りない」というふうに語られがちです。
でも、プロとして生きていくためには、レコード会社や周囲のスタッフと適切なやりとりができるか、信頼できる人間性かといった部分も大事ですよね。
経験が浅いうちは専門的なスキルや才能があればなんとかなると思いがちですが、それだけではうまくいかないことって、たしかにあります。
つんく♂:まさにけんすうさんがそうで、インターネットや情報ネットワークに強いイメージだけど、オタクというより全振り型でバランスがいいイメージですよね。
けんすう:ありがとうございます。
つんく♂:たとえば、芸術系の大学で天才的な彫刻の才能を持つ人がいる。たしかにすごいけど、それで食えるかどうかはわかりません。
それより、美術に関する幅広い知識があって、コメントもうまくて、いろいろなことを相談できるような人のほうが重宝されたりするんですよね。
けんすう:まさにそうですね。しかも「人生バランスチャート」では、「健全力」と「スリリング力」という、相反するものが必要っていうのもおもしろかったです。