「スキルだけで食えない時代」"磨くべき能力"は? 【つんく♂✕けんすう対談】4回目(全5回)

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つんく♂:正直なところ、僕が卒業した当時の近畿大学では、東大や京大、あるいは早稲田や慶応、関西でいえば同志社あたりには偏差値的にも就職先でも、絶対にかなわなかったわけです。

そういう微妙なコンプレックスもある中で、当時はミュージシャンなら学歴なんて関係なく、上を目指せる気がしました

凡人よ、世界を目指せ

つんく♂:だって、東大とか慶応とかを出て、キャリア官僚になるような人たちに見えている世界って、当時の近大生には見当もつかなかったと思うんですよね(当時の近大生のみなさん、ごめんね:by つんく♂)。

『物語思考 「やりたいこと」が見つからなくて悩む人のキャリア設計術』(幻冬舎)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

で、上京後にヒット曲も出て、モーニング娘。も成功して、何度も何度もあのとき誓った日本一を取ることができました。

そうしたら上場会社の社長さんや政治家の偉い方々、官僚の方々ともいろいろと知り合うようになって、そのとき実感したんです。

「あっ、この方々(いわゆるエリートの人たち)とは絶対に競えなかったな」って。

そう感じたときは心から震えましたね。「根っこから違うやん!」って。

だからこそ、いまの時代で、僕ら凡人が彼らに勝てるとしたら、「日本一になろう!」なんていうスケールでなく、とっとと世界一を目指すくらいの気持ちじゃなきゃ無理だと思います。スーパーニッチでも、自分だけの道を探し出した人が勝てる時代なのかなと思います。

けんすう:いまならそういう考え方のほうが絶対にありだと思います!

つんく♂昔は日本一を目指せば食えたけど、いまは世界を目指さないと、ダメかなって。僕はハワイに住んでいるから、よけいにそう思うのかもしれません。

*1回目:『会社員でも「プロ意識」全然ない人、ある人の大差』
 
*2回目:『「"やりたいこと"わからない病」処方箋は"これ"だ」』
 *3回目:できる人が「完璧」より「とりあえず完成」目指す訳

*最終回の第5回目は、11月9日(木)公開予定です

つんく♂ 総合エンターテインメントプロデューサー

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音楽家、TNX株式会社代表取締役。1988年にシャ乱Qを結成、1992年にメジャーデビューし「シングルベッド」「ズルい女」など4曲のミリオンセラーを記録。1997年より「モーニング娘。」のプロデュースを開始し、1999年には「LOVEマシーン」が176万枚以上のセールスを記録。「ハロー!プロジェクト」をはじめ数々のアーティストのプロデュースやサウンドプロデュースを手がけ、現在JASRAC登録楽曲数は2000曲を超える。2015年、喉頭がんにより喉頭全摘手術を受けたことを公表。2020年にメディアプラットフォームnoteにてコラムをスタートする。現在はハワイに拠点を置き、国民的エンターテインメントプロデューサーとして幅広く活躍中。

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けんすう 起業家、投資家

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2003年にしたらばJBBSを運営するメディアクリップ代表取締役社長、2004年にライブドアに事業譲渡。2006年にリクルートに入社し、インターネット系の新規サービスの立ち上げに関わる。2009年に株式会社nanapiを創業、2014年にKDDIグループにM&Aされる。2019年1月にマンガコミュニティサービス「アル」を運営するアル株式会社を立ち上げる。

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