「やりたいことがわからない」人が増えた理由
つんく♂:けんすうさんの本も僕の本も、アプローチは違うけど「やりたいことがわからない」とか「何をしたらいいかわからない」という人に向けたものですよね。
僕の場合は、「自分を凡人と認める」ところから始めて、けんすうさんの場合は「なりたいキャラをつくる」ところから始める。
けんすう:「やりたいことが見つからない人」って、むしろ人一倍自分に興味があると思うんです。自分の中にあるものを見つけたくて、自己分析をしているというか。
つんく♂:それって若い世代に多いんだと思うけど、僕らの時代と何が違うんだろう?
けんすう:僕は2006年に就職したんですが、当時はまだ「やりたいことをやろう」というメッセージはさほどなかったような気がします。
だから電通や三菱商事みたいな良い会社に入ることがゴールで「何がやりたいか」に悩む人はまだ少なかったんです。
でも、2010年ぐらいから「やりたいことをやらなきゃダメ」みたいなムーブメントがあって、YouTuberも出始めて「何者かにならなければいけない症候群」みたいな雰囲気が生まれた気がします。
つんく♂:終身雇用や年功序列が崩れ始めたのもありますよね。その結果、みんなが「自分探し」を始める……。