つんく♂さんは「現代の世阿弥」だ
孫:つんく♂さんの本、読ませていただきました。これ、一見読みやすく、わかりやすく書かれているけど、ものすごい本だと思ったんです。
僕は能楽の礎を築いた世阿弥が書いた『風姿花伝』という書がとても好きなんです。つんく♂さんの本からは『風姿花伝』のような迫力を、僕は感じたんです。
つんく♂:ずいぶん前に現代語訳の『風姿花伝』を読んだのを思い出しました。孫さんに言われるまで、忘れていましたが。
孫:大げさじゃなく、この本には、つんく♂さんの頭の中というか、超一流のトップを極めた人たちだけが体得したものが言語化してある。つんく♂さんって、まさに現代の世阿弥じゃないかって思いました。
つんく♂:ありがとうございます。この本で言いたかったのは「僕は凡人。みんなも凡人。だからこそ、凡人ならではの勝ち方を探していこうぜ」っていうことなんです。
孫:特に「天才」「アマチュア」「プロ」が三つ巴であるという、この「じゃんけんのモデル」がおもしろい。これって、つんく♂さんがお考えになったものですよね。僕はこの関係性に「なるほどな」と思ったんです。