「仕事で成功するのはプロか天才か?」意外な結論 つんく♂がたどり着いた「独自の天才vs凡人論」

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つんく♂:そもそも、人がどういうときに「天才」という言葉を使うかといえば、「負けを認めたとき」だと僕は思っているんです。

人って、まず「この人はすごい」「俺にはちょっと敵わない」と思ったときに、過去の何かにたとえたくなるんですよ。「令和の松田聖子!」とか「令和のメッシ!」とかね。ものの場合は「昔でいうレコードです」とか「フロッピーディスクの親分みたいなものです」みたいな。

そうやって自分で理解できる範囲に置くことで、なんとか心の安定をはかるように思うんです。

「天才」という言葉を、なぜ使ってしまうのか

つんく♂:ただ、ついに過去の誰にも何にも置き換えられない、見たこともないものに出会ったとき(敗北感を感じたとき)に、人はそれを「天才」と呼び、自分の心をなだめるんだと思います。「あれは天才だから別だよね」みたいな感じで。

:なるほど。確かにそうかもしれませんね。まずは過去のすごい人と比べようとするわけですね。

つんく♂:たとえられるときは、まだ少しだけ優越感があるんです。たとえるものがないほどの才能に出会ったとき、つまり次元が違う才能に対しては、「天才」という言葉を使うしかないと思うんです。

:見たこともない、切り離された存在ですね。

孫泰蔵
日本の連続起業家、ベンチャー投資家。大学在学中から一貫してインターネットビジネスに従事。その後2009年に「アジア版シリコンバレーと言えるようなスタートアップ生態系をつくる」という大志を掲げ、ベンチャー投資活動やスタートアップの成長支援事業を開始。そして2013年、単なる出資に留まらない総合的なスタートアップ支援に加え、未来に直面する世界の大きな課題を解決するための有志によるコミュニティMistletoeを設立。社会に大きなインパクトを与えるスタートアップを育てることをミッションとしている(撮影:尾形文繁)

子どもはみんな「天才」だ!

つんく♂:そういう意味で、3歳未満の子どもたちって、みんな天才だと思うんです。まだ常識なんて学習していないし、比べるものがない

常識を身につけてしまった僕らから見れば、異次元の存在ですよ。だから「何でそれを口に入れんねん!」「何でそれを家の中に持ってくるねん!」となる(笑)。

:そうそう。子どもって本当に天才ですよね。まっさらで「誰々みたいなこと」はやらないですからね。

つんく♂:だから、僕も孫さんの本を読んで、子どもたちに「新しい形の教育」が必要だというのはすごく同感して、期待しているんです。

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