CSファイナルでは1位チームに1勝のアドバンテージがあるが、それでも長いペナントレースを戦って圧勝した「リーグ優勝チーム」が短期決戦であっけなく敗退する可能性があるのは、とりわけそのチームのファンにとっては耐えがたいということだ。
確かにその通りだ。プロ野球にとってペナントレースは「最大の収益源」であるとともに「価値の根幹」でもある。観客動員数はペナントレースの動員数だけをカウントする。「1000本安打」「100勝」という選手の記録もペナントレースの数字だけだ。
ポストシーズンが日本シリーズだけだったときは…
両リーグのペナントレースの勝者が「最終決戦」である日本シリーズを戦って雌雄を決するのが、一番納得性が高いのは誰しもが同意するところだろう。
しかし、興行的には9月末にペナントレースが終了して10月に最大7試合の日本シリーズをしてシーズン終了では、収益を考えても、プロ野球人気の盛り上げを考えても、あまりにももったいない。
事実、ポストシーズンが日本シリーズだけだった2003年は、ダイエーと阪神の一騎打ちとなり超満員が続いたが、観客動員は7試合で28万6197人。
これに対し両リーグがCSを導入した2007年は中日、阪神、巨人、ロッテ、ソフトバンク、日本ハムがCSに参加し、日本ハムと中日の日本シリーズになり、観客動員は18試合で70万8220人に上った。
ポストシーズンの期間は2003年が10月18日から27日の10日間だったのに対し、2007年が10月13日から11月5日までの24日間に伸び、世間の注目を半月近く長く惹きつけることができたのだ。
さらに言えば、CSがなければ、シーズン終了後もプロ野球に注目するのは両リーグ優勝の2チームのファンだけだが、CSがあれば少なくとも6チームのファンの関心を集めることができるのだ。
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