「クライマックスシリーズ不要派」に欠けた視点 MLBはポストシーズンの拡大で人気を維持

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実はCSのあとの日本シリーズは展開によってはあっけなく終わることも多い。2019年、2020年は2年連続でセ・パの人気チームの巨人とソフトバンクが日本シリーズで対戦して、ともにソフトバンクが4連勝で圧倒した。筆者はこのときもスタンドで観戦したが、2年ともに4試合目には巨人ベンチにあきらめムードのようなものが漂っていた。

交流戦ができて、シーズン中にリーグをまたいだ対戦があるとは言ってもわずか3試合だ。ふたを開けてみればチームのコンディションに大きな差があったりもする。探り合いをしているうちにシリーズが終わってしまうこともあるのだ。

ペナントレース終了後の決勝ラウンドのことを「ポストシーズン」という。従来の日本シリーズに加えてCSができてポストシーズンは間違いなく盛り上がるようになった。

クライマックスシリーズに対する疑問の声

しかしCSに対する「疑問の声」は、根強い。野球評論家の江本孟紀氏は自身のYouTubeチャンネルで次のように語った。

「せっかくがんばってきたオリックスの強さとか阪神の強さ、優勝ぶっちぎってきたこの2チームに日本一を決める戦いをさせてあげるというのが、本来の姿だと思う。確かにプロ野球人気がなくて、クライマックスシリーズや交流戦含めて、いろんな手を使ってきて今日があるというのは、それはわかりますよ。しかし、そういうことであればもう今は、各球団公式戦はもう十分お客様も入って、コロナ禍も収まって、12球団ほとんど黒字でしょ? 今年も」

CSに否定的な意見の典型だろう。3月末から10月初旬まで、半年以上も戦って勝者になったチームが、2位、3位のチームとさらに優劣をつける戦いをしなければならない理不尽さ。とりわけ今年はオリックスが2位ロッテと15.5ゲーム差、阪神が2位広島と11.5ゲーム差と大差をつけている。

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