コンサルも驚愕!「常連客の多い」女将の神対応 スケールしないポイ活アプリが忘れている視点

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小料理屋の女将
人気の小料理店の女将は常連客に何を提供すれば喜んでもらえるかを理解している(写真::Ushico/PIXTA)
数年前、レシートを写真に撮りアプリに登録すると報酬が手に入るというサービスが人気を博した。しかし、その後それほどスケールせず、ビジネスモデルとして成功しているとは言い難い。なぜなのだろうか。
企業が消費者に最適な提案をするとは、どういうことか。わかりやすく言えば小料理屋の女将の気持ちで「常連対応」をすることである。
新刊『デジタルマーケティングの教科書――データ資本主義時代の流通小売戦略』の著者が、データ収集と分析、顧客への提案と関係性の深化まで「DXによる売上拡大ビジネスモデル」のフレームワークとそれを使いこなす方法について解説する。

DXによる売上拡大ビジネスモデルのフレームワーク

前回は、学習塾(受験塾)におけるDX戦略の進化の方向について、具体例(イメージ)を提示して、DX構想力とは何かを考えた。今回は、「DXによる売上拡大ビジネスモデル」を構想するフレームワークとその使いこなし方について、以下の3つのステップにそって解説する。

『デジタルマーケティングの教科書』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

1. 提案に必要な消費者行動データの収集

2. デジタルテクノロジーによる分析

3. 消費者を幸せにする提案と関係性の深化

このフレームワークでは、消費者行動データの収集・分析によって「消費者を幸せにする提案と関係性の深化」ができるかが問われることになる。

まず「提案に必要な消費者行動データの収集」についてだ。多くの企業がDXを進めていくうえで、ユーザーや顧客の行動データの収集を進めている。しかし、実は多くの企業でデータの収集はうまく進んでいない。その原因は、以下のとおりである。

1. やみくもに消費者行動データを収集している
2. 消費者行動データを収集する際に消費者に面倒な負担をかけている

私はコンサルティング会社から若手コンサルタントの育成を依頼されている。先日ある若手コンサルタントが「DXの提案をしたいのでチェックしてください」と提案資料を持ってきた。

そこには、「大切なことは消費者行動データの収集です。さまざまな生活シーンでの行動データを取得するために、いろいろなアプリを用意しましょう」と書かれており、地図アプリ、料理アプリ、家計簿アプリなど10以上のアプリを用意する提案がなされていた。

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