コンサルも驚愕!「常連客の多い」女将の神対応 スケールしないポイ活アプリが忘れている視点

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確かに消費者を理解するために、行動データは重要である。しかし、やみくもにデータを収集しても意味がない。消費者行動データの収集は「手段」であり、消費者を幸せにする提案と関係性の深化が「目的」だからだ。

この大義がない消費者行動データの収集は、ユーザーや顧客から敬遠される。地図アプリ、料理アプリ、家計簿アプリなど10以上のアプリを用意して、誰がそれをダウンロードするのか。多くのユーザーは、スマホの中に既にそれらのアプリをダウンロードしている。なぜ新たに同じようなアプリをダウンロードしなければならないのか。

やみくもに消費者行動データを収集しても意味がない

仮に10以上のアプリをもれなくダウンロードしてくれたとする。おそらくスマホの画面1ページ分の大半を占めるだろう。それをいちいち開いて活用してくれるのか。ユーザーや顧客はそのような面倒なことを喜んで行ってくれるのか。

消費者行動データ収集という「ロジック、論理」の世界では間違っていないのだが、一人ひとりのユーザーや顧客をリアルに想像したビジネスモデルの構築ができていない。「これでは、アプリの開発費ばかりかかって、でも、誰も使用してくれず、失敗する施策になる」と助言をした。若手コンサルタントは恐縮しきりで、「すみません。まったく消費者の姿をイメージできていませんでした」と反省していた。

数年前、レシートを写真に撮りアプリに登録すると報酬が手に入るというサービスが人気を博した。しかし、その後それほどスケールせず、ビジネスモデルとして成功しているとは言い難い。なぜなのだろうか。

ユーザーにしてみれば、ただのレシートを報酬に変えることができる。企業にしてみれば、ユーザーの購買行動データを収集できる。お互いにメリットのあるビジネスモデルである。しかし、面倒なのである。

1. 財布からレシートを出す
2. レシートを撮影する
3. 写真データをアップロードする

わずか、これだけのプロセスだ。でも、数回ならば問題なくとも、毎日、毎日その行動を継続するのは、面倒くさい。だから、使い始めてしばらくするとデータ提供をやめてしまう。消費者行動データを収集する際に、ユーザーに負担をかけてはいけないのである。

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