「父は中卒蕎麦屋」格差に直面した息子の驚く顛末 浪人は許されない、退路を断った彼のその後

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小学生ながら、浪人へのプレッシャーを感じていたという田内さん。なぜなのでしょうか(写真: Fast&Slow /PIXTA)
浪人という選択を取る人が20年前と比べて1/2になっている現在。「浪人してでもこういう大学に行きたい」という人が減っている中で、浪人はどう人を変えるのでしょうか?また、浪人したことによってどんなことが起こるのでしょうか? 自身も9年の浪人生活を経て早稲田大学に合格した経験のある濱井正吾氏が、いろんな浪人経験者にインタビューをし、その道を選んでよかったことや頑張れた理由などを追求していきます。
今回は特別編です。取材させていただいたのは、灘高等学校から東京大学理科Ⅰ類に現役で合格し、東京大学大学院情報工学系研究科修士課程修了後、ゴールドマン・サックス証券株式会社に入社。以後16年間勤務し、現在は金融教育家として活動中の田内学さん。
田内さんは、小説『きみのお金は誰のためーボスが教えてくれた「お金の謎」と「社会のしくみ」ー』を上梓するなど、作家としても活躍されています。浪人とは一見無縁の人生のようにも思えますが、田内さんの人生観にも大きな影響があったそうです。

本命以外の学校を受ける選択肢がなかった

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田内さんの経歴を見ると、浪人を経験することなく、表街道を突き進んできたエリートだと思われるかもしれません。

しかし、彼は言います。

「僕はつねに背水の陣でした。浪人をする選択肢も、本命以外の学校を受ける選択肢も存在しなかったんです」

そして、競争社会を勝ち抜いてきた彼の人生観には、幼少期に田内さんの実家で居候をしながら浪人をしていた年上のいとこの存在が深く関わっていました。

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