日本人大好き「焼肉店」倒産続いている最大の理由 3年前の寿司屋倒産ドミノを彷彿とさせる現象

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その現象が、コロナ禍を経て焼肉業界にもやってきて、昔からのスタイルのメニュー構成の店舗は、世の中のニーズに合わなくなってしまったのです。焼肉業界も多様性が求められるようになったというわけです。

寿司店の倒産は、コロナによる飲食店への休業・時短要請、外出自粛などが大きな原因と思いますが、回転寿司店の出店増加がやはり今も影響を与えています。その証拠に、いまだに回転寿司の出店数は右肩上がりです。その一方で、名店で修業して独立した高級寿司店も実はここ数年増えていて、寿司は高いか安いかの二極化となりました。

新しい提案をする焼肉店が続々登場

では、焼肉店の今はというと、「一部位フューチャー型」や「割烹スタイル」「フュージョンスタイル」など、今までとは違う提供の仕方をするお店が出てきて話題となっています。つまり“売り”をアピールしている焼肉店は、元気なのです。

例えば、「タンとハラミ MEAT BANK.jp」(新宿、人形町など)は、焼肉で人気部位のタンとハラミにこだわって提供している焼肉店で、霜降りのタンを“エロタン”と呼び、話題となっています。青山に本店を構える「よろにく」は、一口ご飯の肉巻き、卵黄を絡める焼肉、ぶっかけトリュフすき焼きなど、どんどん新しい焼肉の楽しみ方を提案して10数年以上ずっと人気は絶えません。

赤坂の「思食」では、日式の焼肉に、フレンチシェフによるエッセンスと韓国の小皿料理を現代風にアレンジしたものも加わり、イノベーデイブ焼肉を提供して予約困難店になっているそうです。

肉の部位にこだわったり、新しい食べ方の提案をしたり、和食と焼肉を融合させたりと、個性を前面に出している焼肉店が多くなっているのです。このような個性は、個人店や規模が小さい企業の焼肉店だからできること。小回りが利き、奇抜なアイデアにも挑戦できると思います。

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