関西のディープタウン尼崎市が遂げた驚きの変貌 暴力団事務所は退去、タイガース優勝で活気

✎ 1〜 ✎ 38 ✎ 39 ✎ 40 ✎ 最新
拡大
縮小
尼崎 阪神タイガース
阪神・尼崎駅の周辺は昔ながらの下町情緒が残っている(筆者撮影)

大阪や神戸のベットタウンで、約46万人が暮らす兵庫県尼崎市。この地はかつてキリン、森永製菓、クボタといった大企業の工場地帯として栄えた。一方、数年前までは暴力団の抗争が相次ぎ、違法風俗や違法ギャンブルが乱立するなど、負のイメージもついてまわっていた。

しかし、近年はJR駅前の大規模再開発などの効果もありイメージが一新。民間会社が調査した「穴場だと思う駅ランキング2022関西版」では、トップ5に尼崎市内の4駅がランクインした。

さらに今年は、この街の人々が愛してやまない地元球団・阪神タイガースがリーグ優勝を決めた。18年ぶりの歓喜に沸く関西屈指のデイープタウンの住民は何を思い、どのように暮らしているのか。現地で声を拾った。

この記事の画像を見る(4枚)

タイガースファンの”聖地”

この連載の一覧はこちら

昔ながらの“あま”(尼崎の略称)を今でも強く感じられる場所を挙げるなら、阪神・尼崎駅周辺となるだろう。駅を出ると、すぐに「尼崎中央商店街」に遭遇する。下町情緒が漂うこのエリアでは、近年ではチェーン店が進出してきているが、昔ながらの個人商店も依然として多く残っている。

そんな空気感に引き込まれるように頬を赤めた多くの地元住民が、平日の昼間にもかかわらず立ち呑みやで陽気に談笑していた。その中の一軒に立ち寄ると、常連客だという男性客が話しかけてきた。

「兄ちゃん、よそ者やろ? 顔見たら、いっぺんでわかるから俺らは(笑)。この辺は毎日こんな感じかって? 今年は昼からずっとこんな感じやわ。なんでかって、そら岡田・阪神が優勝するから。タイガースの本拠地は西宮市やけど、熱狂的なファンの数なら“あま”が一番。この辺の店は、阪神が勝った日は割引で飲める店が多いから、あま以外からもようけここに来て、飲んで帰るタイガースファンの“聖地”なんよ」

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT