ビッグモーターと損保ジャパンの癒着に関する外部調査は、早ければ11月にもまとまる予定だ。昨夏の取引再開に至る経緯や、経営陣の不正請求に対する認識の時期といった詳細はそこで明かされることになる。
一方で、報告書によって櫻田氏が一連の問題について認識した時期が相対的に遅く、早期に対策を打つことは難しかったため責任は小さい、となるかといえば答えは「否」だ。
癒着よりも根深い問題がある
櫻田氏は会見で、出向者が不正請求に関する証言内容の改ざんに携わっていたことについて知った時期を、「2023年7月だった」と話している。事実だとすれば、経営判断をするうえで極めてクリティカルな出来事について、白川氏が知った1年後にようやく報告を受けたことになる。
損保ジャパンの取締役を兼務していながら、同社で発生していたコンプライアンス(法令順守)上の大問題について、それほどまでに情報が上がってこない人物が、グループのトップに君臨し続け、信頼回復につなげていくことが果たしてできるのか。
立ち入り検査に入った金融庁が最も問題視しているのは、ビッグモーターとの癒着よりも、不正請求への対応をことごとく誤り、隠蔽に加担してしまう企業統治の深刻な機能不全だ。不正の認識時期による経営責任の有無に、櫻田氏が今後もこだわり続けるのであれば、金融庁から容赦なく引導を渡されることになりそうだ。
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