損保ジャパンとビッグモーター、取引再開の深層 「不正指示」の証言はなぜ握り潰されたのか

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経営責任を問う声が日増しに高まっている損保ジャパン(編集部撮影)

中古車販売大手・ビッグモーター(東京都港区、和泉伸二社長)をめぐる騒動が拡大の一途をたどっている。

ここまで騒動が大きくなったのは、保険金の水増し請求をはじめとして、不正の限りを尽くしたようなビッグモーターの悪辣さだけが要因ではない。コンプライアンス(法令順守)にとりわけ厳しいはずの金融機関がときにその片棒をかつぎ、さらには一緒になって隠蔽しようとしたのではないかという疑義が拭えないからだ。

強い疑いの目を向けられている損保ジャパン

中でも強い疑いの目を向けられているのが、損害保険ジャパンだ。不正疑惑が強まっている最中にビッグモーターとの取引を再開するなど、これまでの対応には不審な点があまりにも多い。業を煮やした金融庁が、保険業法に基づく報告徴求命令の中で、損保ジャパンに対してのみ、拙速な取引再開について経緯説明を求める事態にも発展している。

ここでは、特に問題視されている昨夏の取引再開の経緯について、損保ジャパンやビッグモーターの社員らの証言を基に改めて検証し、その深層を探る。

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