白川社長はのちに、入庫誘導再開の判断は「あまりに軽率だった」と報道陣の前で陳謝したが、証言内容が報告書で一変したことを知りながら最終的なゴーサインを出していたことになり、その経営責任は重大だ。
「論功行賞」の人事をしたのか
さらに言えば、その軽率な対応方針をまとめた中村氏を、今年6月21日付で損保ジャパンの常勤監査役に就かせたことも、はなはだ疑問だ。ここまで騒動が拡大し疑惑の目が向けられるとは思わずに、白川社長の8年先輩にあたる中村氏に「論功行賞」人事をしたのであれば、目も当てられない。損保ジャパンの前身である安田火災海上保険への入社は、中村氏が1985年4月、白川社長が1993年4月だ。
現在、そうした一連の経緯については、親会社のSOMPOホールディングスが引き取るかたちで第三者調査を始めている。あたかも、親会社には今回の責任はないかのような立ち居振る舞いだが、SOMPOの櫻田謙悟グループCEOは損保ジャパンの取締役でもある。
事の詳細は知らずとも、取締役として出向者の状況や不正行為、証言内容の変遷を知り得た立場にあり、その認識の度合いによっては会社法上の善管注意義務違反に問われる可能性がありそうだ。
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