いわゆる“個タク問題”は、京都という観光客を相手にしたビジネスだけで商売が成立するという土地柄の影響も大きいのだろう。地場の商店などの人間に話を聞くと、「運転手がタメ口で話してくる」「近距離だと乗車拒否をされることも珍しくない」「わざと混雑する道を選ぶ」「運転手が客を選ぶという、バブル時代のような風習が残っている。いつの時代だよ!!」といった手厳しい声が多々聞かれた。
しかし、地元民から評判が芳しくない個タクに頼らざるえないほど、京都のタクシー事情が逼迫しているのも現実だ。地元民だけなく、観光客にとっても、京都はタクシー利用が困難な地域になりつつある。それは、コロナ禍でドライバー約1800人が減少したことにより、稼働できる車両の母数が大幅に減った影響も大きい。この状況は新聞などのメデイアでも、
「タクシーが全然来ない」京都の観光客・市民が困惑…30分以上待たされるケースも
京都駅のタクシー乗り場に異変 海外観光客「理解できない」不満の声相次いで
といったタイトルで報じられている。
観光シーズンは交通インフラがパンク
京都市内の老舗タクシー会社の幹部が、現在の街が置かれた状況について解説する。
「あくまでシーズンによる、という前提ですが、今の京都では慢性的なタクシー不足が起こっていることは明らかです。特に修学旅行シーズンや、紅葉の時期などは状況が悪化する。今年の5月から7月にかけては、タクシーが迎車と配車アプリで埋まり、ほぼ空きがなかったくらいですから。
街には外国人観光客が溢れており、タクシーばかりでなくバスなどの交通インフラがパンクしかけています。本来であれば嬉しい悲鳴なんですが、ドライバーが足りないから車両は稼働できないし、解決のために募集をしても人が集まらない。喜ぶに喜べない複雑な心境ですよ」
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