そもそも、どのような状況で若手社員は「成長できそうにない」と思ってしまうのか。そのヒントになる考え方が、「プラトー」だ。
人は階段状に成長する
人の成長過程は、決して右肩上がりに直線的に伸びるものではなく、途中で伸び悩む時期がある。この伸び悩みの時期は「プラトー(学習高原)」と呼ばれる。
プラトーの状態のときは成長実感が得られず、感情的な苦しさがつきまとうため、「これ以上やっても成長できない」とあきらめたり挫折したりしがちだ。しかし、プラトーを通過することができたらそこで階段状に成長し、大きな成長実感を得ることができる。
私は、プラトーの正体は「自分が期待する成長イメージと、実際に得られる成長実感のギャップ」にあると考えている。私たちは、一つ経験値を積み上げたら確実に一つ成長したという手応えを期待する。それが、下図に示す「成長期待直線」だ。
しかし、現実において自らの成長を実感できるのは相当な経験値を積み重ねた後であり、「成長実感曲線」は下図のようなカーブを描く。この成長期待直線と成長実感曲線のギャップが広がるほど、「毎日こんなに頑張っているのに全然成長できない……」という悩みを抱えやすくなる。
Z世代を中心とする若者の傾向を説明する際に、「タイムパフォーマンス (タイパ) 」という言葉が使われるようになった。かけた時間に対してどのくらいの価値があったのか、「時間対効果」を気にしているといわれる。キャリアに対しても同じで、「経験を積んだ分、早く成長したい」と思うのも理解できる。
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