そう考えた彼は、まず志望校に行くためにはどれくらいのレベルが要求されるのかを調べるため、大阪大学の赤本を3~4年分購入して読んでみたそうです。
「目標を知らないと筋道を立てられないので、現時点で肌感覚でどれくらい通用するかを調べてみたんです。結局、数学の問題で10分考えて何も浮かばなかったので、これは全然基礎が足りてないんやな、とわかったんです。3月末で志望校への距離感を把握できたのがよかったですね」
目標へのレベル感を理解した彼は、予備校の授業も「受動的に内容を聞くだけの受講」ではなく、「能動的に情報を取りに行く受講」を意識して、その日、1週間の目標を決めて、授業の予習や復習の時間を設定し、システマチックに勉強をしていたそうです。
「最初の3カ月でスタートダッシュを決めると決めていました。1年考えたらモチベーションがもたないなと思っていたので、いったん6月の終わりまでしか考えないようにしていました。6月末に入試があるという気持ちでやっていましたね」
その成果はすぐに現れます。5月、6月にそれぞれ受けた駿台全国模試では、ともに大阪大学のB判定を叩き出すという大きな成長を遂げました。
「4月の勉強の結果が出て、基礎を固めて成功だったと思いました。ほんまの基礎の基礎って、どんな科目でも出題されるんです。式は知ってるけど意味が理解できていないものを理解しようと取り組んだだけで、急激に理系科目の成績が伸びたんです」
「一箇所理解した瞬間に全部つながって急に成績が伸びた」と語ったでんがんさん。近道をしたいときこそ、遠回りをする心持ちが物事を吸収するうえで大事なのだと、考えさせられます。
センター試験の結果が思ったよりよくなかった
こうしてスタートダッシュを決めたことが成功体験になり自信を深めたでんがんさんは、夏に受けた大阪大学の冠模試(各大学の出題傾向に合わせて出題される模試)でもB~A判定を叩き出します。この結果を受けて「本当に阪大を受けてもいいかもしれない」と思った彼は、自信を持ってセンター試験に臨みました。しかし、この結果が思ったよりよくなかったことでひるんでしまったそうです。
「数学は満点、物理と化学も9割とれました。ですが、国語や地理で取れずに全体で70%くらいの得点に終わってしまったんです。ほかの阪大受験生は8割くらいは取ってくるので、2次試験で30~40点ほどの不利を逆転しないといけませんでした」
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