「食べなくても太る」を解決、漢方の体質別減量法 ダイエット効果をUPさせる「2つのスパイス」

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特に甘味は要注意です。本来、漢方でいう甘は砂糖からではなく、穀物から摂るのが基本です。栄養学的に見ても、穀物に含まれる炭水化物には糖だけでなく食物繊維が含まれています。そのため、糖だけを摂るよりも緩やかに消化吸収されることになります。

甘味がやめられないのは、砂糖は麻薬のようなものだからです。ストレスのあるときに甘いものを食べることを習慣にしてしまうと、やめるのが難しくなるので要注意です。

甘いものがやめられない場合は、苦味を心がけて摂るといいでしょう。ゴーヤやピーマンなどの苦い野菜には、余分な熱を冷ます働きもあります。
また、辛味のなかでは、ニンニクやトウガラシは食欲を刺激し、発汗が過多になることもあるので控えめに。

ダイエットの効率を上げるスパイス

一方、おすすめしたいスパイスは以下になります。

【ターメリック(ウコン)】肝機能を高めて老廃物を排出

肝臓に働きかけて胆汁の分泌を促し、脂肪や老廃物を体外に排出します。

油との相性もいいので、炒め物をするときにひとつまみ入れたり、味噌汁やスープに入れてもいいでしょう。カレーのときは米に小さじ1程度入れて炊き、ターメリックライスにするのがおすすめです。きれいな黄色で、見た目にもおいしそうです。

ホットミルク(あるいはココナッツミルク)にターメリックをひとつまみと、好きなスパイス(コショウやカルダモン、生姜、シナモンなど)入れれば、「ゴールデンミルク」と呼ばれる飲み物の完成です。

インドの伝承医学、アーユルヴェーダで健康のために飲まれていたようで、筆者はカルダモンを一粒入れます。まろやかになって、チャイのような味わいがおいしい飲み物です。

このターメリックを毎日の料理に取り入れていたら、便秘やニキビが改善して食欲も落ち着き、自然と5kgやせたという方がいらっしゃいました。

【クミン】胃腸を整えて消化を促進

体内の毒素を排出する働きがあり、胃腸の働きを高めて便秘を解消します。カレーの香りはクミンによるもの。古くから健胃薬、解毒薬として重宝された生薬です。

殺菌作用も高いので、夏におすすめのスパイスです。油にひとつまみ、ホール(粉でも可)のクミンを入れ、パチパチと音がしたら好きな野菜や肉を炒めると、スパイシーな炒め物の完成です。

平地 治美 薬剤師、鍼灸師。 和光鍼灸治療院・漢方薬局代表

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ひらぢ はるみ / Harumi Hiraji

千葉大学医学部非常勤講師、日本東洋医学会代議員。朝日カルチャーセンター、津田沼カルチャーセンターなどで漢方関連の講座を担当。明治薬科大学薬学部卒業後、漢方薬局勤務を経て、東洋鍼灸専門学校に入学。漢方治療の大家である寺師睦宗氏に漢方を、石原克己氏に鍼灸を、クリシュナU.K氏にアーユルヴェーダ医学を学ぶ。著書に『げきポカ』(ダイヤモンド社)、『舌を見る・動かす・食べるで健康になる』(日貿出版)など。You tube「平地治美・漢方チャンネル」も開設。ブログ「平地治美の漢方ブログ」。

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