「丸源ラーメン」一杯につき"4回味変"で全国区に 1号店から20年超でラーメンチェーン首位を猛追
味変のトレンドを補足すると、2017年頃から「マー活」と呼ぶブームが起き、麻(マー)のしびれるような辛さを楽しむ消費者が増えた。インスタントラーメン(袋麺)の取材では、みそラーメンや塩ラーメンに足すのは、「圧倒的にラー油が多く、みそラーメンにはコチュジャンを入れる人も目立つ」という話を聞いた。何かで味を変える人は多いようだ。
店には「鉄板玉子チャーハン」(小サイズ385円、中サイズ495円)もある。この商品は鉄板の中央に円形のチャーハンが乗っており、運ばれた後、店舗スタッフが溶き卵をチャーハンの周囲にかけてくれるパフォーマンスつき。すぐにかき混ぜるか、しばらく放置するかはお客次第だ。これも味変であり、おせっかい文化といえるだろう。
「ファミリーやグループでも来店される大型店は『大衆性と専門性のバランスが大切』」と池田事業部長は力説する。
「肉そば」は専門性だが、大衆性として「醤油ラーメン」「とんこつラーメン」「塩ラーメン」「味噌ラーメン」も揃える。サイドメニューには「餃子」(319円)や「からあげ」(429円)、おつまみとして「フライドポテト」「枝豆」(各209円)などもある。
ご当地ラーメンが多い中で全国展開できた理由
日本は各地域にご当地ラーメンがあり、それぞれ味も違う。大きく分けて、東日本は煮干しのしょうゆベース。西日本、特に九州はとんこつベースがほとんどだ。
なぜ、丸源ラーメンは北海道から沖縄県まで出店できたのだろうか。
「じわじわと浸透した結果だと思います。丸源ラーメンが受け入れられるまで苦労しました。北海道でも札幌は味噌ラーメン、函館は塩ラーメンの文化です。九州はとんこつ系ですが、博多と久留米(ともに福岡県)ではとんこつのつくり方も違います。また香川県は、高松や丸亀に代表される“うどん県”という地域文化があります。
一方、当社には『地域一番店主義』という戦略があり、『一度はじめた商売はやめない』という哲学もあります。そのためにメニューも外装も、お客さまのニーズや時代の変化に合わせて変えていく。繁盛店になるまで約10年かかった例もあります。
展開するうちにわかったのは、地域の人気店は中型店や小型店で、メニュー構成も絞った個人経営が多いということ。実は、大型店で多彩なメニューを揃えた店は少ないのです」(同)
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