「丸源ラーメン」一杯につき"4回味変"で全国区に 1号店から20年超でラーメンチェーン首位を猛追

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ちなみに同社には、国内店舗数で300店を超える「焼肉きんぐ」がある。大黒柱は焼肉事業、次いでラーメン事業だ。中には「焼肉きんぐ」と「丸源ラーメン」が隣り合わせの立地も。物流コストの視点でも食材供給などがしやすく、スケールメリットが働くのだろう。

「丸源ラーメン」(左)と「焼肉きんぐ」(右)が並ぶ、東京都小平市の店舗(筆者撮影)

DXが進んでも、おせっかい文化は残したい

コロナ禍から通常の生活モードに戻った現在、外食需要も復活した。従業員採用を活発化する店も増え、人材の獲得が激化している。丸源ラーメンも例外ではない。

「今後はチェーン店の統一感を大切にしつつ、複雑だったメニュー構成を絞るなど、現場の運営しやすさを向上させて、さらなる顧客満足につなげていきます。集客数も伸びた現在、それに取り組まないと、郊外の大型店は立ち行かなくなります」(池田事業部長)

近年は多くの外食チェーン店で、注文をタッチパネル、支払いをセルフレジにするなど、DX(デジタルトランスフォーメーション)化も進めている。

「当店も注文はタッチパネルの全店導入を進めています。受注ミスも減り、新規に採用したスタッフが定着しやすいメリットもあります。

一方で、DXが向かない業務もあります。ラーメンをつくる調理作業や、商品提供などです。配膳ロボットにラーメンを運ばせることは考えていません。従業員が提供しながら、周囲のテーブルの状況も見て回る。お客さまの快適性を踏まえたうえでのおせっかい文化は残したいと思います」(同)

前述の肉そばの提供杯数(約1724万杯)は、2019~2020年(2019年7月1日~2020年6月30日)比で約300万杯も増えた。今後「フードコートへの出店」など課題も残るが、味と接客を磨き、顧客ニーズに応え続ければ、丸源ラーメンの勢いはしばらく続きそうだ。

高井 尚之 経済ジャーナリスト、経営コンサルタント

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たかい なおゆき / Naoyuki Takai

学生時代から在京スポーツ紙に連載を始める。卒業後、日本実業出版社の編集者、花王情報作成部・企画ライターを経て2004年から現職。「現象の裏にある本質を描く」をモットーに、「企業経営」「ビジネス現場とヒト」をテーマにした企画・執筆・講演多数。近著に『なぜ、人はスガキヤに行くとホッとするのか?』(プレジデント社)がある。

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