「丸源ラーメン」一杯につき"4回味変"で全国区に 1号店から20年超でラーメンチェーン首位を猛追

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現代のように情報拡散が速いと、昔に比べて地域差は薄れていく。そして友人や知人とも気軽に立ち寄れる大型店は、特に車社会の地方では使い勝手がよい。もちろん店に魅力があってこそだが、こうした複合要因も追い風となったのではないか。

夏休みには家族客がファミレス感覚で来店

ところで、8月の売り上げが大きいのはなぜか。

「もともとファミリー客が多いので、お子さんが夏休みに入ると家族で来店されます。この時季、家庭では火を使う料理をしたくないでしょうが、外食なら気にしなくてよい。空調も整っており、座席が広いのもご利用されやすいと思います」

多彩なメニューや手頃な価格帯以外に、ロードサイド店が多く、車で来店できることもファミレス感覚で使いやすいのだろう。

未来の顧客である子どもに向けた訴求も行う。小学生までが注文できる「お子さまラーメン」は209円という安さで、“えらべるおもちゃ”つき。高学年向けには大人サイズの「肉そばデビューセット」(759円)もあるが、これにもおもちゃがつく。

子ども向けのメニュー(左)と店内に用意されたおもちゃ。好きなものを選べる(右)(ともに物語コーポレーション提供)

ラーメンチェーンでありながら、どこかファミレスや、喫茶店風だったりするのは、同社の発祥が愛知県であることと関係があるのかもしれない。愛知県は喫茶モーニングで有名な土地柄。当地の人はオトクやオマケが大好きだ。ソフトクリーム、カップソフトを頼みやすい価格(各107円)で提供するのにも、愛知の食文化を感じる。

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