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中部電力・浜岡原発の「基準地震動」策定過程で不正が発覚。原子力安全の専門家が指摘する「安全文化」欠落の深刻度

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基準地震動をめぐる不正が発覚した中部電力の浜岡原子力発電所(写真:アビー8/PIXTA(ピクスタ))
中部電力の浜岡原子力発電所をめぐり、基準地震動策定の過程でデータの操作などの不正が行われていたことが判明。原子力規制委員会は再稼働の前提となる新規制基準適合性審査の中止を決定した。問題の所在や事案の重大性について、原発の安全対策に詳しい、原子力コンサルタントの佐藤暁氏に聞いた。

──原子力安全の専門家として、今回の事案の重大性をどのようにとらえておられますか。

大きく分けて、「工学的な重大性」と「プロセス的な重大性」の2つの観点がある。

まず工学的な重大性だが、不正によって原子炉建屋やその内部に設置されている機器の耐震性が不十分になりはしまいか、本来やるべき設備の改造補強の必要性が見落とされることにならないかといった懸念が持ち上がっている。

予断を持って語るべきではないが、通常であれば、耐震性については相当の余裕を持たせたうえで、そこに設置されている機器の耐震性を評価する。基準地震動が本来のあるべき数値から何倍も過小であるということでなければ、工学的な問題には至らないだろう。

信頼を喪失させる「プロセス的な重大性」

他方、「プロセス的な重大性」について考えてみる必要がある。基準地震動という、原発の安全性を確保するうえで最も重要な評価において不正を働いたのは非常に重大な問題だ。企業の信頼性を根本から疑わせるような事態だ。

「ほかでも不正を働いていて、同様の問題があるのではないか、原子力規制委や原子力規制庁が見抜けないケースはほかにないのか」という疑念を抱かせる。いわゆる「原子力安全文化」の欠落が露呈した事例だと見られる。

日本の大企業はさまざまな分野で似たような問題を引き起こしている。国際標準化機構(ISO)の認定では生産現場での監査の際に不正が見つかり、認定が取り消される事例が数多く発生している。中部電力での今回の件は、ほかの日本企業にとっても他人事ではない。

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