組織不正は「正しいつもり」から生まれる理由 不正に無関心な人が関わることで広がる悪影響
組織不正は「正しさ」から生み出されている
組織不正には、どのようなイメージをお持ちでしょうか。
おそらく多くの方が、明確な意図を持って不正に関わった人がいて、それが組織問題にまで発展するというイメージをお持ちだと思います。そのイメージは、学術の世界では長く正しいものだとされてきました。一番有名な研究として、不正のトライアングルというものがあります。
不正のトライアングルでは、不正行為は、「①利益の獲得やプレッシャーといった動機」と「②不正を行うことができる環境や時期といった機会」、「③行為は仕方がないものだという正当化」の3つの要素が結びつくことによって起こるものだと説明されています。
しかし、2012年にドナルド・パルマーという社会学者が発表した研究以降、不正に関わる人が必ずしも意図的ではない、という視点から組織不正が捉え直されています。つまり、不正に関わっている人は、自分は正しいという認識のもとで不正を行っているということです。なおかつ、そうした人が関わることで、組織不正はより大きな影響を与えてしまうということも、次第に認められるようになってきました。
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