「何不自由なく育った少女」が道を踏み外した悲劇 はためには「穏やかで仕事熱心な両親」だが…
アヤノのケース
アヤノの家は共働き家庭。父親も母親も仕事熱心だ。両親は中学の同級生で、同窓会で会ったときに仕事の話で盛り上がり、交際が始まったという。
アヤノの母親は営業を天職と考えており、妊娠がわかったときは、まず「仕事を休まなきゃならないわ」という不安が頭をもたげた。ブランクができれば、キャリアアップの障害になる。子どもがほしいと思ったことはなかった。産んでみたら心境が変わるかと思ったが、変わらなかった。すぐに仕事に復帰して、朝から晩まで働くことを選んだ。
父親も子どもに興味がなかった。もともと出張が多く、平日はほぼ家に帰ってこない。たまに帰ってきても「付き合いだから」と言ってゴルフに出かけてしまう。アヤノの誕生日も関係なしだ。娘がいま何歳なのかを聞かれても、すぐには答えられない。
アヤノの両親はいわゆる「パワーカップル」で、ともに収入は高い。母親は「仕事をしているのだから、家事ができないのは当たり前」と考え、家のことはあまりやらなかったが、家事代行などさまざまなサービスを使い、家はきちんと保たれていた。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら