累計160種類「ガリガリ君」のネタが尽きないワケ 年間100以上の新商品出す赤城乳業の強み

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冬にアイスを食べる習慣が一般化したのは、2015年12月に『マツコの知らない世界』で「冬アイスの世界」を特集したことがきっかけ。「おそらく劇的に変わりました。各社冬アイスに力を入れるようになったと思います」と岡本課長は話す。

近年の同社の大ヒット冬アイスといえば、「かじるバターアイス」だ。2021年2月に期間限定で販売したところ、SNSを中心に「バターそのものを食べているみたい」「パンの上にのせたらすごくおいしかった」などと話題を呼び、予測を大幅に超えてわずか1週間で完売した。

その話題性から、日本食糧新聞社の令和3年度「第40回食品ヒット大賞」の優秀ヒット賞を受賞。バタースイーツは2010年代後半から、バターサンドその他で流行し、人気になったジャンルでもあった。

かじるバターアイス
「かじるバターアイス」(写真:赤城乳業提供)

新商品の企画は約1年前からスタート

同社の新商品は、発売4カ月前に取引先に案内を出す必要があることもあり、1年ほど前から企画がスタートする。かじるバターアイスも、1年ほど前から冬に食べたい濃厚なアイスは何か、という点から出発し、各部署のメンバーで打ち合わせした際、「バターを丸ごとかじるような商品があったら面白いんじゃないか」、とアイデアが出た。さまざまなバターを食べ、色や形などを検討し、バターをイメージしたパッケージデザインにした。

赤城乳業が年間100種類以上というハイペースで開発ができるのは、コンビニの拡大と伴走するように発展してきたからだ。「昔は、小売店のアイスのショーケースに、大手企業の名前が書いてあったのをご存じですか? 大手さんが既存の流通を押さえているので、新興の当社が食い込むのは難しかったのです」と岡本課長。

ガリガリ君が登場した1981年は、大手のコンビニが出そろい、拡大を始める頃だった。『ガリガリ君の秘密』によると、赤城乳業はコンビニ専門営業チームを作って、他社に先駆けコンビニルートの開拓に力を注ぎ、商品開発においてもタイアップを強化した。

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