明治「キシリッシュ」撤退の裏にあった戦略の失敗 ガムから事実上撤退、売上高はピークから9割減
食品大手の明治が主力製品である「キシリッシュ」などの販売を3月末で終了し、ガム事業から事実上撤退すると報道されました。
私のような昭和世代にとって、明治は森永、グリコ、ロッテと並ぶお菓子メーカーで、子どものころから明治のお菓子に囲まれて育ってきたものです。明治のガムも1967年に製造開始ということでほぼほぼ私と同世代を生き抜いてきた製品でした。
売上高はピーク時から9割も減少
明治のガムの売上高は2007年をピークに縮小傾向が続いていて、2021年度は約30億円と2007年度に比べて9割も減少しているということです。
実はこの2021年にガムの市場全体がグミの売り上げに抜かれてしまいました。スーパーの売り場面積でもZ世代をひきつける目的で圧倒的に広い売り場を確保されているグミと比べれば、ガムは売り場の隅へと追いやられている感は否めません。
そしてガムの市場ではロッテが圧倒的なシェアを握っていて明治は後発です。企業戦略的に言えば低シェアの事業から撤退して、グミのような成長市場に経営資源を集中するのは定石通りの戦略です。明治はその定石通りに決断したわけです。昨今の仕入れ価格高騰と人手不足による厳しい経営環境であるからこそ、経営者は選択と集中が求められることになります。
ただ、キシリッシュが市場から消えてしまうことについて、私にはちょっとした衝撃があります。今回はそのことを記事にしてみたいと思います。
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