「部下が育たない上司」は3つの事ができていない 「育てないほうが育つ」という目から鱗な事実
仕事を教えるときに、やり方を教えるアプローチは「手順だけ教育」です。
どういう手順でやれば仕事がうまくいくのか、その答えをどんどん教えてしまうのです。
手順だけ教育の育成をすると、失敗したり迷ったりすることは少なくなるかもしれませんが、部下は自分で考えなくなります。
そこで、やり方ではなく、ゴールを伝えなくてはなりません。
ここで改めてですが、やり方(手順)とゴール(基準)の違いを明確にしておきましょう。
カーナビにたとえると、目的地の入力がゴール(基準)、目的地までのルートがやり方(手順)です。
目的地へ向かやり方は自分で考えさせる
仕事の目的地を詳細に伝え、「どういう状態になりたいか」というゴールを共有し、「目的地へどう向かうか」のやり方は、自分で考えさせるのが、ここでのスタイルです。
たとえば、会議資料の作成を部下に任せようとしたとします。皆さんならどんな指示を出しますか?
「この会議資料を作って」と指示を出すと、部下は「どうやって作ったらいいですか?」と質問してくるでしょう。
手順だけ教育の人はそこで「内容はこうで、こういう手順で、こうやって作って」と細かくやり方を指示していきます。部下は、「ここはどうしたらいいですか?」とそのつど判断をあおぎ、自分で考えようとせず、上司にやり方をいちいち質問するというスタイルになってしまいます。これでは、資料はできても部下の成長にはつながりません。
ゴールを共有するというのは、たとえば「営業会議でAエリアの業績を上げるために、コストをかけたプロモーションをやりたいから、その承認を得るための資料を作ってほしい」といった伝え方です。