
今回は、「補助金が多い私立大学ランキング」を紹介する。
私立大学は、学生が支払う授業料が収入の中心となっている。ただ、収入全体の1~2割程度は国や自治体からの「補助金」に頼る大学が多数派だ。これがなくなると赤字に陥るケースも多く、補助金は大学経営の命綱とも言える。
そこで2023年度(2024年3月期)のデータを使い、「補助金が多い私立大学法人ランキング」を作成した。その額と総収入に対する割合などを見ていく。
慶應大学が142億円でトップ
補助金は、「事業活動収支計算書」で教育活動収入に計上される「経常費等補助金」と、特別収入に計上される「施設設備補助金」に分類される。
施設設備補助金は、校舎建設にともなう利子補給など、施設設備拡充が目的であることが明確な場合に計上されるが、基本的に補助金の大半は経常費等補助金と考えてよい。
また補助金は、国から支出される場合と、地方自治体から交付される場合に分かれる。さらに国からの補助金の場合、主に私立学校の助成や福利厚生を図る日本私立学校振興・共済事業団を経由して交付される。そして教員数や学生数を基に算出される「一般補助金」と、大学の教育充実化や先進的な取り組みに対し交付される「特別補助金」に分かれている。
なお、この経常費等補助金は、学校法人ベースの数字のため、傘下の小・中・高校、幼稚園などに交付される補助金も含まれている。大学だけでない点には注意が必要だ。ではランキングを見ていこう。
1位は慶應義塾(慶應義塾大学)で142.6億円。経常収入に占める比率(経常補助金比率)は7.7%となっている。経常収支差額は93.8億円で全体でも4位の水準だ。
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