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【ホンダ・レーシング社長が語る】角田選手の実力、F1再参戦の狙いと継続の条件、そして勝算とは

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ホンダはF1の参戦と撤退をこれまでに4回繰り返してきた。2026年からは5度目の参戦となる(写真:ホンダ)
F1人気が日本でも高まりを見せている。3月末には日本人ドライバー・角田裕毅選手が超強豪チーム「レッドブル・レーシング」への移籍が実現。凱旋レースとなった4月初旬の「日本グランプリ(GP)」には、ここ15年で過去最高となる26万6000人が会場となった鈴鹿サーキット(三重)に来場した。
ホンダは2019年、そのレッドブルにエンジンやモーターなどパワーユニット(PU)を供給する形でF1に参戦したが2021年に撤退(2025年まで技術領域のパートナーシップとして関与は継続)。来年から英国アストンマーティンと組んで5度目の参戦を決めている。ホンダのレース子会社ホンダ・レーシング(HRC)の渡辺康治社長にF1参戦の意義や今後の展望を聞いた。

角田選手の昇格は実力の結果

――角田裕毅選手のレッドブルへの移籍は、ホンダとしても大きな意味を持ちますか。

角田はホンダ・レーシングの育成として優秀な成績でスカラシップを取得し、(F1より下のカテゴリーである)F3、F2でレッドブルと共同で育ててきて2021年からF1に参戦している。鈴鹿出身、ホンダ育成のドライバーが強豪チームであるレッドブルに昇格できたことは感慨深い。日本人が(F1の)表彰台に立つというわれわれの目標が狙える位置に来た。

――角田選手の昇格にはホンダの後押しがあったと欧米メディアでは報道されています。

私は常に勝てるためのドライバーラインナップを組むべきだと(レッドブルに)言っているだけだ。昨シーズンの最終戦であるアブダビGPの後、角田をテストするべきだと強く主張し続けてきた。テストをして、彼がちゃんとマシンを操ることができたので今回のような短時間の昇格につながったのだろう。

――ホンダとして角田選手のどの部分を評価しているのでしょうか?

2021年にF1に昇格するときから、世界チャンピオンになりたいという思いの強さがあるドライバーだった。ホンダも夢と挑戦を大事にしている。そこが彼を後押しした理由だ。当然、スピードのある選手で車体のコントロール力、ドライビングスキルの面でも優れている。コミュニケーション能力もある。

F1ではメカニックやエンジニア、スポンサーなど団体で戦っていく側面が強いため、彼のそうした要素も大いに役立つ。今シーズンに入ってからも何度も会っているが、彼は本当に落ち着いていて準備時間が短いことを理解しているので安心した。

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