【F1人気】世界で高まる中、「角田効果」で日本GP盛り上がり、”参戦継続”へホンダがグループ一体で体制強化

自動車レースの世界最高峰であるフォーミュラ1(F1)の第3戦「日本グランプリ(GP)」が4月3~5日に鈴鹿サーキット(三重県)で開催された。3日間の来場者数は26万6000人と、鈴鹿でF1が再開された2009年以降で過去最高に達した。
「いよいよ日本人ドライバーがF1で表彰台を狙えるチームに――」
開催の1週間前、欧米の大手メディアが大々的に取り上げたのは日本人ドライバーの電撃的な移籍だった。「オラクル・レッドブル・レーシング(レッドブル)」が姉妹チームである「ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズ(RB)」から角田裕毅選手を‶昇格”させると発表したことを受けたニュースだった。

レッドブルは2022年と2023年を含めてこれまでに6度のコンストラクターズチャンピオン(年間でのチーム優勝)を獲得した超強豪チーム。角田のチームメイトでライバルにもなるマックス・フェルスタッペンはドライバーズタイトルで2021年から4連覇中だ。F1のドライバーになること自体が超難関、そのトップチームに所属するのは日本人で初となる。
レッドブルはホンダと2019~2021年にエンジンやモーターなどパワーユニット(PU)供給で提携、2025年まで技術領域のパートナーシップを結んでいるなど、日本とのかかわりも深い。だからといって、日本枠で角田が昇格したわけではない。
「常に勝つためのドライバーラインナップを組むべきだとレッドブル側に言ってきた。その結果が年末のテストにつながり、そこで彼がしっかりとマシンを操ることができた結果だ」。ホンダ・レーシング(HRC)の渡辺康治社長はそう断言する。
ネトフリやSNSで世界的に人気が沸騰
角田のレッドブル移籍が日本GPの盛り上がりに一役買ったことは間違いないが、それだけではない。「近年、F1人気が着実に高まっている」(渡辺社長)。
動画配信サービス「Netflix」で、2019年にF1を題材にしたドキュメンタリーがスタート。相前後してドライバーがSNSでの情報発信を活発化したことなどもあって人気拡大につながった。
F1を主催するリバティメディアによると、2024年のレース総観客動員数は前年比9%増の約650万人。コロナ禍前の2019年(420万人)の5割増となった。F1の公式SNSフォロワー数はこの5年で7000万人増加し9700万人にまで達しているという。もともとヨーロッパ発祥のF1は、アメリカでの人気はイマイチだったが、今では「アメリカで女性や若い世代にも浸透し始めている」(ホンダ幹部)。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら