ロケット、ロボット…「ホンダイズム」の現在地。4輪車メーカーでなくなる日は来るのか

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ホンダのロゴを背景にポーズをとるアシモ
(写真:Takeshi Sumikura/アフロ)
2040年に世界で売る新車をすべてEV(電気自動車)、FCV(燃料電池車)にする「脱エンジン」を掲げていたホンダ。しかし、ここ数年で市場環境は激変。当初もくろんでいた、EVを通じた‟第2の創業”にも黄色信号が灯る。『週刊東洋経済』9月6日号の第1特集は「どうする! ホンダ」。もがく業界の異端児の全体像を追う。
『週刊東洋経済 2025年9/6号(どうする!ホンダ)[雑誌]』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。定期購読の申し込みはこちら

ホンダが「スーパーカブ」の生産を終了する!?

昨年6月ごろ、大手メディアが相次いでそう報じ、SNSを中心に大きな話題となった。

もっとも厳密にいえば、すべてのスーパーカブの生産を終了するわけではない。排ガス規制の強化を受け事業性が維持できないと判断された50㏄以下の原動機付き自転車(原付きバイク)のみが対象で、110㏄のバイクの生産販売は続ける方針だ。

1958年発売、累計生産台数1億台を上回る世界的ロングセラーとなったスーパーカブ。その終了というニュースの大きな反響は、いかにスーパーカブが今も市民生活に密着しているかを物語る。

革新への情熱

「長らくヒット商品がない。市場を切り開く商品を生み出してこそホンダのはずなのに」。多くのホンダ社員や部品メーカー、販売会社の関係者は口々にそう嘆く。

創業者・本田宗一郎氏が浜松市で町工場を開業したのは46年。そこからグローバル企業になったホンダの成長の歴史は、挑戦と、世界に先駆けた製品を次々と生み出してきた歩みだった。

スーパーカブに限らず、革新的な「低公害CVCCエンジン」を積んだ初代「シビック」、ミニバンブームの火付け役となった「オデッセイ」、世界初のカーナビシステム、日本車初のエアバッグ搭載車。そして10年連続で国内販売台数首位となっている軽自動車「N-BOX」。いずれも独創的な製品ばかりだ。

片や今は「アコードやシビック、CR-Vを売ればある程度の台数が毎年計算できる。チャレンジせずとも安定した収益を見込めるのが今のビジネスモデル」。三部敏宏社長は自戒を込めてそう語る。

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