
高層ビルのない時代の丸の内

1960年代なかばの東京駅丸の内口側の空撮写真を今見ると、長閑ささえ感じる街の姿が広がっている。界隈に並ぶほとんどのビルの高さは、当時の高さ制限である31メートル、8〜9階建てだ。現在、これらのほとんどのビルは建て替えられて、丸の内は超高層オフィスビルの立ち並ぶ街へと変貌している。
東京駅前の行幸通りに面して、東京駅の向かいにある建物の写真・手前側は丸ビル。奥側は新丸ビルだ。この時代の丸ビルの建物は、1923(大正12)年築で、当時最先端のアメリカ式事務所建築として建てられたものだった。
戦前戦後と東京を代表するオフィスビルとして知られてきた存在で、物事の規模や容積的な大きさを表す場合に、長いこと「丸ビル何杯分」という表現が使われてきたことを昭和世代は知っているはずだ。
その丸ビルは竣工約80年後の2002年に建て替えられ、現在の36階建てのビルとなっている。
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