「部下が育たない上司」は3つの事ができていない 「育てないほうが育つ」という目から鱗な事実
そんな中、育てずに育つ育成が可能だとしたら、今の時代にマッチした育成ができるようになることでしょう。
では、どうすれば部下を育てることができるのでしょうか?
部下を育てようとする姿勢は、もちろん素晴らしいことです。しかし、育てようという思いの強い人は、次のような育成スタイルになりがちです。
・ 指示どおり動かないと叱る
・ 代わりに自分がやってしまう
部下を育てようとしても育てられない上司は、得てして仕事がデキる人です。
自分がデキるので、部下の意見を聞いたところで大した答えが出てこないとはじめから決めつけ、自分が指示を出すしかないという考えに陥っています。
これが日常化すると、部下の意見を聞くということをしなくなり、毎日毎日、部下に考えさせることなく、一方的に指示を出し続けるようになります。
さらに、せっかく正しい指示を出したのに、指示どおりに動かないと、「なんで言われたとおりにやらないんだろう?」と首をかしげます。自分で答えを考えられないのに、与えられた指示もこなせない部下に苛立ちを覚えたりもします。
そして最後にはシビレを切らし、自分がやるしかないと部下の仕事を奪い、自分がやってしまうわけです。
しかし部下の立場に立ってみると、見え方は一変します。
たとえ細かい指示を上司から受けたとしても、自分で考えなければいけない部分は出てきます。
そこで自分で考えたやり方をやってみると、上司から怒られてしまう。
これを繰り返すうちに、部下は自分で考えて仕事をするよりも、上司に怒られないことをゴールにするようになります。
上司の指示を言われたとおりにやることに集中し、自分で考えることを諦めてしまうのです。
「ゴール指示法」の極意
そこで提唱したいのが、「育てない育て方」です。私が「ゴール指示法」と呼んでいるアプローチがあります。
具体的には次の3つのステップを踏みます。
② やり方を質問してきたら、自分で考えさせる(教えない)
③ 良い部分を褒め、悪い部分はもう一度考えさせる
じつにシンプルな方法なのですが、上司の根気が問われることもあり、意外に実践できていないのがこのアプローチです。